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見捨てられ不安
「見捨てられ不安」とは、他者から愛されていない、または見捨てられることに対して強い恐れや不安を抱く状態を指します。この不安は、自己価値や人間関係に対する不安から生じることが多く、日常生活においてさまざまな困難を引き起こす可能性があります。
この不安が強くなると、周囲の人々との関係に影響を及ぼし、時には自分自身の感情や行動にまで変化をもたらすことがあります
見捨てられ不安はしばしば、過去の経験に起因します。特に、幼少期の家庭環境や親との関係が深く影響します。例えば、親が離婚したり、厳格だったり、無関心だった場合、子供は見捨てられやすい感覚を持ちがちです。こうした経験は、大人になってからも自分が愛されるに値しない、または一度でも見捨てられる可能性があると感じさせます。
自分に自信が持てない、または自己価値を感じられない場合、他者から見捨てられることを強く恐れることがあります。自己肯定感が低いと、周囲の人々が自分を愛しているかどうかに過敏になり、見捨てられたと感じることに繋がりやすいのです。
他者に対して過度に依存してしまうことで、見捨てられ不安が高まることもあります。特に、恋愛関係や親密な人間関係において、自分が相手にとって不可欠でないのではないかという恐れが増すことがあります。相手の些細な行動に過敏に反応し、「嫌われたのではないか」と思い込むことがよくあります。
孤独を感じている場合、人は他者とのつながりに対して過度に依存する傾向があります。社会的な支えが乏しいと、見捨てられやすいという感覚を強く抱き、孤独感が不安をさらに強めることになります。
見捨てられ不安が強いと、日常生活にさまざまな影響を及ぼします。
人間関係において過剰な依存や過剰な期待を相手に押し付けることがあります。例えば、相手の態度や言葉に過敏に反応し、無意識に相手を圧迫することになり、関係が悪化することがあります。また、相手が自分を放置していると感じると、無意識に相手に対して攻撃的になったり、距離を置くことが増えたりすることもあります。
また自己評価に悪影響を与えることがあります。自分が他者に愛されていない、または価値がないと感じることで、自己評価がますます低くなり、社会的な関係がますます疎遠になることがあります。この悪循環が続くことで、さらなる孤立や精神的な不安が引き起こされます。
この不安は心身にも影響を与えます。過度なストレスや不安が続くと、体調不良や睡眠障害、消化不良などが起こることもあります。しばしば他者からの反応を過剰に確認し、安定を求める傾向があります。例えば、パートナーや友人からの連絡をすぐに求めたり相手の態度を何度も確認して安心感を得ようとします。これが相手に負担をかけることになり、関係が悪化する可能性があります。
疲れ果てカウンセリングに来られる方を何人も見てきました。
まずは、自分に自信を持ち、自己肯定感を高めることが重要です。自分の強みや良い点に目を向け、自分を認めることが大切です。自己肯定感が高まることで、他者から見捨てられることを恐れなくなり、安心して人間関係を築くことができるようになります。
必要に応じトラウマケアも行います。
過去の経験が原因で見捨てられ不安が強い場合は、トラウマと向き合うことが必要です。過去の出来事を整理し、心の中で解決することが助けになります。
依存的な人間関係を避け、健全で支え合う関係を築くことが大切です。相手を過度に求めず、共感や理解を基にした対等な関係を大切にしましょう。
日常的にストレスを管理し、心のケアを行うことです。カウンセリングの中でリラクゼーション法を挟みながら力を抜くことも感じてもらいます。心身共に健康を保つことの必要性を理解、身体で感じてもらいます。
見捨てられ不安は、私たちの心に深い影響を与えるものですが、理解と自己改善を通じて克服することは可能です。過去の経験や自己評価が原因であることが多いですが、自己肯定感を高めることや、過度な依存を避けることで、この不安を和らげることができます。最も大切なのは、自分を大切にし、周りの人たちとの健全な関係を築いていくことです。見捨てられ不安から解消され心が軽く過ごすことが出来るようになります。