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アルコール依存症からの回復と、子どもの不登校
こんにちは。今日は私自身の経験を通じて、アルコール依存症からの回復とその後の家族の課題、そして子どもの不登校からの回復に繋がったお話しをしたいと思います。このブログが、同じような悩みを抱えている方々の励みになれば幸いです。
私は数年前までアルコール依存症に苦しんでいたという方と出会いました。仕事や家庭のストレスをアルコールで紛らわそうとするうちに、飲酒量が徐々に増え、自分ではコントロールできない状態に陥ってしまった。その結果、家族との関係が悪化し、子どもたちにも大きな不安や悲しみを与えてしまった。
転機となったのは、家族の涙ながらの訴えだった。「お父さん、もうこれ以上見ていられない」と言われた瞬間、自分が家族にどれだけの負担をかけているかを初めて深く理解しました。このままではいけないと何とかしたいと言う思いで私の所に来られました。専門の治療へ紹介し、治療と並行に自助グループでの支えを受けながら、カウンセリングで過去のご自身の親子問題などを整理していきました。自分の生きづらさは父親との関係にあったと気づき、生きおなしに向けたカウンセリングに取り組みました。
アルコール依存症から回復し始めた頃、次に直面された問題は子どもさんの不登校でした。最初は、なぜ学校に行きたがらないのか分からず、イライラしたり、無理に学校に行かせようとしているが上手くいかないとの相談でした。私の方から「不登校は子どもからのサイン」と伝え、子どもの気持ちに寄り添うことの大切さを伝えました。一度、子どもさんとのカウンセリングをできないかと提案し受け入れてもらいました。
最初は母親と子どもさんが一緒にカウンセリングルーム来ていただきました。次からは子どもさんも中学生だったので一人で来ていただきました。子どもさんが不登校になった背景には、学校での人間関係のトラブルやプレッシャーがあったようです。それだけではなく、父親のアルコール依存症の影響も大きかったと話し始めました。家族の中で安心感や信頼感が揺らいでいたこと、何かあっても両親に相談できなかった。家庭の中の問題を友達に相談することもできなかった。子どもさんの心には大きな影響を及ぼしていたのです。
数回子どもさんのみ、その後、親子で一緒にカウンセリングを受けることを提案し実施しました。最初は緊張している様子が伺えましたが、私の方から丁寧に父親の病気の説明、今の思いを伝えました。子どもさんも少しずつ心を開けるようになりました。カウンセリングでは、子どもさんの不安や恐れを共有するだけでなく、親としてどのように接してもらいたいかも共有しました。
例えば、子どもが学校の話をしたくない時には無理に聞き出さないことや、少しの進歩を見逃さずに褒めることなど、具体的なアドバイスを伝え実践してもらいました。また、家族でのコミュニケーションを増やすために、一緒に食事を作ったり、散歩に出かけたりする時間を意識的に作るように心がけてもらいました。
6か月の親子面接を続けました。少しずつ子どもさんは自分のペースで前に進み始めました。最初は家の中で好きなことをする時間を大切にし、次第に外出したり、少しずつ学校の行事に参加したりするようになったようです。そして何より、家族全員で笑顔を取り戻せたことが一番嬉しい、飲まない道を選んでよかったとカウンセリングの場で聞くことができました。アルコール依存症からの回復プロセスを通じて家族の大切さを再認識され、家族との絆を深めることで、子どもさんも安心して自分を取り戻すことができたのだと思います。
アルコール依存症や子どもの不登校は、どちらも家族全体に影響を与える大きな問題です。しかし、適切な支援を受け、家族で協力して向き合うことで、必ず道は開けます。
アルコール依存症は専門治療や自助グループの力は必須ですが、それと合わせカウンセリングを受け、自身の過去の問題を整理していく必要も大切だと思います。生きづらい中でアルコールの力を借りてきた自分、何が生きづらかったのかを見ていく必要が大切だと思います。
回復後、親子問題、夫婦問題と色んな課題が出てきます。でも、一人ではなく、誰かに頼ることで乗り越えられると思います。